草いちご
麦わら帽子 長靴 竹かご 長い棒
六月梅雨の晴れ間 母といちご摘み
いちご摘みは裏山の中腹
古井戸の跡 焼夷弾の穴 少しずつ進む
虫にも蛇にも気を付けながら
長い棒で草をつつきながら歩く
災いをはらう力 棒はもっている
自然の中に入る時は注意怠りなく
赤く光る草いちご
指先で触れるとポロリ
小さな手を開いて落とさないように
奈良のお寺で蓮の飴を売っていた
蓮の香りは極楽浄土への道しるべ
生きているうちに蓮の香りを覚えて
命尽きる時に蓮の香りに導かれて極楽浄土へ
坊守さんのお話し
私は
草いちごの香りで母のもとに行くのがいい
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