編笠百合

春先
すでに立ち上がっているのは編笠百合
編笠百合は花も葉も地味な緑
立ち上がるタイミングがすこぶる早く
名のある花に間違われ ちゃっかり庭に居座る
六弁の花びらに『編笠』を思わせる柄
うつむき咲く姿は『編笠かぶり』
スウェーデンの植物学者『ツンベルク』さんは
この花に『フィティラリア』という名をつけた
サイコロの筒
サイコロ遊びが身近な人だったのね
六つのおしべの中央に長いめしべが伸びてくる
中国名は貝母『バイモ』
カシューナッツを合わせたような球根の姿
二枚貝に見えたのかな
花韮や庭石菖と仲良し
花韮や庭石菖が草刈り機やられていくのとは対照的に
編笠百合は準備万端怠りなく立ち上がって春を待つ
起立 礼
葉が蔓のかたち 蔓を伸ばして隣と肩を組む
手を取り合って春風にダンス
調べてみたら漢方薬
中国から渡来した波乱万丈の過去をもつ
姿は地味だが役に立つ

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